千葉市かずInc.(名もなきライターのブログ)

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母親の呪縛から解放されて大人の女性になっていく方法

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「多くの精神病患者が、邪悪なものの代表に『母親』を挙げる」

  

めちゃ面白い本に出会って、むさぼるように夢中で読んでいます。『お姫様とジェンダー』(若桑みどりさん著)。関係ないですが私の亡くなった親友と同じ名前ですね。死んだ彼女は心の病があり、そして同時に、母親を憎んでいました。今日の読書は、『白雪姫』を題材に、母親と娘の関係をテーマにした章です。

 

【もくじ】

 

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カウンセリングで、親との関係をほじくりだす

 

ところで私、過去に一度カウンセリングを受けたことがあるんです。ちょっと悩んでいたことがありまして。でもですね、カウンセラーはなんていうんでしょうか、やたら親との関係を聞いてくるんですよ。親子の愛着がおかしいとか、親との距離感が近いとか、小さい頃に体罰を受けたことなどを、ほじくり返そうとするんです。

 

私の母親は、元カウンセラーだったんですけど、私がカウンセリングを受けることをとても嫌がっていたんですね。「カウンセラーは3人殺して一人前だから受けてほしくない」っていうんです。たしかに親との関係をほじくりだされて、パーフェクトな親子関係ではないことをあまりに気に病むと、アイデンティティがゆらいで死にたくなる気持ちはわかります。

 

親子の関係が現在の関係に悪影響を及ぼしているというカウンセラーや心理学者、そして一般の人はとても多く、同時に「愛されて育たなかったから自分は精神病だ」と親を激しく憎んでいる精神病患者も大勢います。私の周りの精神科に通っている友達も、すぐ親からこうされた、ああされたってことをひたすら語って暮らしている人もけっこういるんですよ。

 

心の病は育成環境、親のせいという言説

 

カウンセラー、母親、親のせいにする人。どれも一定の理解はしますが、誰にも強く共感できないんですね。そりゃあ親から過剰に厳しくされたり、あまり世話されなかったりしたら、人との距離感がつかめなくなって、うまく人間関係が構築できないことはあると思います。

 

しかし、これは単なる物語、ストーリーでしかないと思うんですよ。ユング・フロイトの言説は、今ではフィクションであることが当たり前になっていますが、その影響を受け過ぎだと。カウンセラーはもちろん、ユング・フロイトの言説をインストールしていますし、その根底には、「男らしさ、女らしさ」へのステレオタイプがあるのではないでしょうか。

 

そもそも、親から愛されずに育った人が精神科に接続しやすくなるって、おかしいことだと思いませんか?不公平じゃないですか。愛された思いでがない上に、大人になってまで精神病扱いされるなんて、可哀想すぎると思います。

 

もしかしたら私の母親はカウンセラーだったと同時に、子育てを十分にできていないという罪悪感があったがゆえに、カウンセリングを否定し、自分の正当性を主張したかったのかもしれません。

 

母親と娘の対立

 

そして同時に、『お姫様とジェンダー』によると、ディズニーやグリム童話といった物語も、大きく私達の価値観に影響を与えています。それはすなわち、「女は、母親になったら無条件に子供を愛し、世話をし、尽くさなければならない」という呪縛です。

 

白雪姫では、継母が彼女を殺そうとします。この悪女として描かれる継母は母親の投影であり、同時に、老いた女、子供を産む能力を失った女を象徴していることはもはや定説となっています。良い女と悪い女が描かれているわけです。

 

ここでは、老いた女には価値がなく、純潔でけなげで、ひたすらに小人を世話する貞淑な若い女こそ、幸福(結婚)を得ることができるという封建型社会の男性目線が強く影響しているのだとか。

 

なぜ女は女に嫉妬するのか

 

うーむ。なるほど。そしてそれらは同時に女性と女性の対立を生むことになります。ギリシャ神話の「ハリスの審判」の時代から、女性は男性を巡って美を争う。すべての物語において、女性同士を敵対させるのは男性からの視線です。

 

そして女性の側にも、「自分が我慢し、抑圧を受けているのだから、他の女性の自立は許さない」という嫉妬心が芽生えてしまう。その嫉妬こそ、「毒りんご」が象徴しているものなのです。

 

女性の自立とは?

 

では女性の自立とは何なのか。それは経済的なものだけではなく、内面的なものなのかもしれません。人間は「良い女」「悪い女」といったどちらかではなく、良い面も悪い面も持っているのだということ。そして母親にも限界があり、子供を深く愛している面もあれば、世話がしんどいと思う面もある、そんな二元性を認めること。

 

母親が理想のふるいまいをしてくれなかったことに対していつまでも執着するのではなく、ひとりのナマナマしい感情をもった人間であると理解すること。

 

そして母親に限らず、人は誰しも良い面と悪い面を持っており、頭の中で描いた空想を押し付けるのは間違っていること。男女を問わず、手を差し伸べること。そうした精神的な自立あってこそ、近代のプリンセス像は完成するのかもしれません。

 

いやーすごい本だ。これはすごい本だ。「女性の自立はフランス革命よりも大切」って書いてましたけど、あながち間違いじゃないかもしれないです。

 

 

 

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